共働き夫婦が育休を考えるとき、真っ先に浮かぶのが「収入はどれくらい減るの?」という不安。
でも実は、制度の正しい知識と、少しの戦略で 家計へのダメージを最小限に抑える ことができます。
この記事では、
- 実際の支給額イメージ(実質手取り8割の仕組み)
- 夫婦同時育休で「手取り10割」になる新制度(2025年4月〜)
- 時期をずらすことで最も得する戦略
までを、具体的な数字とともに解説します。
育休中のお金の全体像を理解しよう
育児休業給付金(育休手当)の基本ルール
育児休業給付金の支給額は、休業開始前6ヶ月の賃金総額を基準に算出されます。
| 育休開始からの期間 | 支給率 | 実質手取りの目安 |
|---|---|---|
| 180日(約6ヶ月)まで | 67% | 約8割相当 |
| 181日(約7ヶ月)以降 | 50% | 約7割相当 |
なぜ「67%」なのに“実質手取り8割”になるの?
数字だけ見ると「6割ちょっとしかもらえない」と感じますが、実は次の2つの理由で“実質8割”になります。

- 社会保険料が免除: 育休期間中は、健康保険料と厚生年金保険料(給与の約15%)が全額免除されます。将来の年金額が減る心配もありません。
- 給付金は非課税: 育休手当には所得税・住民税がかかりません。
この「免除+非課税」の恩恵で、給付率67%でも手取りベースでは約8割相当になります。
【2025年4月〜】夫婦同時育休で「手取り10割」に!
2025年4月から始まった新制度、「出生後休業支援給付金」を活用すると、
条件を満たせば実質手取り10割が実現します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 子の出生後8週間以内に、 夫婦それぞれが14日以上の育休を取得した場合(産後パパ育休を含む) |
| 給付率 | 通常の67%に13%を上乗せ → 合計80%支給 |
| 期間 | 夫婦それぞれ最大28日間 |
【シミュレーション】育休の取り方による世帯収入への影響
収入維持を最優先!妻は産休+14日間のみ、夫14日間育休の場合
| 期間 | 妻の収入源 | 夫の収入源 | 世帯収入 |
| 産前〜産後2ヶ月 | 産休・育休給付金(67%) | 給与(100%) | 給与+給付金 |
妻が産休(出産手当金)と産後パパ育休(出生後休業支援給付金)の10割相当期間のみ育休を取り、夫は産後パパ育休の10割相当期間のみの育休とすることで、世帯収入はほとんど減りません。
最近増えている!妻は子どもが1歳まで、夫は14日間育休の場合
| 期間 | 妻の収入源 | 夫の収入源 | 世帯収入 |
| 産前〜産後8ヶ月 | 産休・育休給付金(67%) | 給与(100%) | 給与+給付金(67%) |
| 産後8ヶ月〜 | 育休給付金(50%) | 給与(100%) | 給与+給付金(50%) |
妻が子どもが1歳になるまで育休を取得すると、もらえる給付金は産後約8ヶ月までは給与の67%、それ以降(育休開始から180日以降)は50%となります。
妻6~8ヶ月 → 夫 の“バトンタッチ型”が最強
「妻が早めに復帰し、夫が育休を引き継ぐ」戦略は、
世帯収入ダメージを最小限に抑える戦略として非常に優秀です。

| 期間 | 妻の収入 | 夫の収入 | 世帯収入 |
|---|---|---|---|
| 産前〜 産後6(8)ヶ月 | 育休給付金(67%) | 給与(100%) | 給与+給付金 |
| 産後6(8)ヶ月〜 | 給与(100%) | 育休給付(67%) | 給与+給付金 |
💡ポイント:
育休給付金の「180日ルール」は個人ごとにカウントされます。
つまり時期をずらすと、夫婦それぞれが“実質手取り8割期間”を満額で活用できます。
夫が育休をバトンタッチしたあとは、妻の給与が復帰で復活。夫も自身の育休開始から180日以内なので、67%の給付率を維持。夫婦それぞれが「実質8割」の恩恵を受けられます。
月収別の手取り概算(実質手取り目安)
| 休業前月収(額面) | 育休前半(180日目まで)に振り込まれる金額 | 育休後半(181日目以降)に振り込まれる金額 | 備考 |
| 20万円 | 約13.4万円 | 約10.0万円 | 非課税・保険料 免除の優遇あり |
| 30万円 | 約20.1万円 | 約15.0万円 | 実質、現役時の 手取りの約8割 |
| 40万円 | 約26.8万円 | 約20.0万円 | 振り込まれる金額 =手取り額 |
| 50万円 | 上限額 約32.4万円 | 約24.2万円 | 高所得者は 上限に注意 |
※上限額は毎年8月に見直されます。
月収47万円を超える場合は支給上限が適用されるため、事前確認を。
⚠️ 育休手当の「落とし穴」と注意点
支給は“後払い”
育児休業給付金は、2ヶ月ごとにまとめて後払い。
最初の入金まで3〜4ヶ月かかることもあるため、貯金やキャッシュフロー計画が必須です。
ボーナスは支給されないことが多い
育休期間中は「給与・賞与」としての支給は停止。
賞与支給月と重なる場合は支給額が大幅に減る可能性があるため、事前に会社へ確認しましょう。
育休中にもらえるお金一覧(もらい忘れ注意)
| 制度名 | 対象 | 金額の目安 |
|---|---|---|
| 出産育児一時金 | 出産時 | 1児あたり50万円 |
| 出産手当金 | ママ | 産休中の給与の約2/3 |
| 育児休業給付金 | ママ・パパ | 最大手取り8割相当 |
| 出生後休業支援給付金 | ママ・パパ | 同時期取得で+13%(実質10割) |
まとめ|お金の不安を“見える化”すれば、育休はもっと現実的になる
育児休業給付金は「取るための制度」ではなく、「夫婦でキャリアと収入を分散する仕組み」です。
正しい知識とシミュレーションをもとに、
「我が家はどうしたいか?」を話し合えば、きっと最適な育休戦略が見えてきます。


